キルマー・アブレゴ・ガルシア氏が帰国:直面する法廷の行方 トランプ政権によってエルサルバドルへ強制送還されていたキルマー・アブレゴ・ガルシア氏が先週、テネシー州で不法移民の輸送と共謀罪で起訴された事を受け、米国に帰国しました。このニュースの第一報はABCニュースが報じています。 検察によると、アブレゴ・ガルシア氏は2022年にテネシー州で交通違反を理由に停車させられた際、不法移民を含む9人の男性をSUVに乗せて運転していたとされています。乗車していた男性たちは全員身分証明書を所持しておらず、この状況がさらなる調査を引き起こしました。その結果、彼は不法移民の輸送と共謀の2つの重罪に関与したとして起訴されました。これらの容疑は同州ナッシュビルの連邦大陪審によって秘密裏に審査され、6月6日(金)に起訴状が公表されました。 ナッシュビル連邦大陪審の検察官はアブレゴ・ガルシア氏が終身刑に近い処罰を受ける可能性があり、人身売買や児童虐待の容疑がある事、MS-13ギャングのメンバーである事を示唆しています。パム・ボンディ司法長官は記者会見でアブレゴ・ガルシア氏の本業は板金工ではなく、不法移民の密輸だったと主張しました。アブレゴ・ガルシア氏の弁護
トランプ政権の移民政策とアメリカの分断:キルマー・アブレゴ・ガルシア問題の教訓 トランプ大統領、ICEによる送還を擁護 トランプ大統領の主張 2025年4月18日、トランプ大統領は、エルサルバドルの刑務所に送還されたキルマー・アルマンド・アブレゴ・ガルシア氏(29)が国際テロ組織MS-13(マラ・サルバトルチャ)のメンバーであると主張しましたが、その証拠の信憑性については議論が続いています。 ギャングのメンバーであるという証拠とは トランプ大統領は、アブレゴ・ガルシア氏がMS-13ギャングのメンバーであると主張しています。その根拠として、アブレゴ・ガルシア氏がシカゴ・ブルズのキャップを被っている事、アブレゴ・ガルシア氏の左拳のタトゥーが「M」「S」「1」「3」を意味していると解釈できる事、体のタトゥーにMS-13ギャング特有の「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿を象徴する図案や「チェケオ」という上位階級または新人を表す図案が含まれている事を挙げています。一方、シカゴ・ブルズのキャップはファッションアイテムでもあり、またタトゥー表現は自由な自己表現でもあるため、ギャングとの直接的な関係を示すものではないとの見方もあります。 帰還
パム・ボンディ司法長官は法でトランプ大統領を守り、アメリカを再び安全にする パム・ボンディ氏、米国司法長官に就任 2025年2月5日、パム・ボンディ氏はアメリカ合衆国の司法長官(AG)として、ホワイトハウスの大統領執務室で就任宣誓を行ました。ボンディ氏はマット・ゲイツ氏がスキャンダル等で辞退した事で白羽の矢が当たり、司法長官候補となっていました。ボンディ氏の司法長官就任は共和党員からは「被害者に寄添う」「粘り強い」「経験豊富な」検察官であり、その地位に相応しいと歓迎された一方、民主党員からは、トランプ氏は2021年1月6日の議会議事堂襲撃事件を担当する司法省(DOJ)職員を一掃するために「忠実な」ボンディ氏を据えたのだと批判されました。ボンディ氏は就任初日に「アメリカを再び安全にする」というスローガンを掲げて以降、その実現に向けた政策を強力に推進しています。彼女は司法省から政治的影響を排除し、法の透明性を確保することを目指しています。 反キリスト教差別を根絶 2025年2月6日、トランプ大統領はワシントン・ヒルトンで開かれた全国祈祷朝食会で、バイデン政権下で司法省、FBI、IRS(国内歳入庁)が反キリスト教差別を行っていたと批判し、パム・ボンデ