トランプ次期大統領の采配、吉と出るか?

トランプ次期大統領の采配、吉と出るか?
トランプとバイデン

トランプ氏、次期閣僚を次々と指名

トランプ政権がアクティブになるのはもう少し先ですが、既に次期キャビネット(最高意思決定機関)やホワイトハウスへのオファーが次々と発表されており、不確定なものも含め顔ぶれが明らかになりつつあります。

(キャビネット)                                                国務長官:マルコ・ルビオ氏                                          国防長官:ピート・ヘグセス氏                                             司法長官:マット・ゲイツ氏
保健福祉長官:ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏
エネルギー省長官:クリス・ライト氏                                    国土安全保障長官:クリスティ・ノエム氏                                  米国国連大使:エリーゼ・ステファニック氏                                   環境保護庁長官:リー・ゼルディン氏                                   国家情報長官:トゥルシー・ギャバード氏                                    中央情報局(CIA):ジョン・ラトクリフ氏

(ホワイトハウス)                                 参謀長:スージー・ワイルズ氏                                   報道官:キャロライン・リービット氏                                  副首席補佐官:ダン・スカヴィーノ氏                                   政策担当副首席補佐官:スティーブン・ミラー氏                              ボーダーツァー:トム・ホーマン氏                                     国家安全保障担当補佐官:マイク・ワルツ氏

物議を醸す人事

トランプ氏の采配は概ね好評のようですが、中には強い反発を引き起こしている人事もあるようで、その矛先はほぼ以下の二人の候補に集中しているようです。

マット・ゲイツ氏(司法長官候補)

マット・ゲイツ氏は共和党の極右の下院議員で(現在は辞任)、過激なトランピアンとして知られています。ゲイツ氏は2023年10月の共和党ケビン・マッカーシー下院議長解任の中心人物であり、その過激な行動から共和党内ではマッカーシー氏はじめ敵を多く作っているようです。ゲイツ氏は下院倫理委員会から性的な不正行為(未成年者と性交渉)と違法薬物の使用の疑いで調査されていましたが、トランプ次期大統領のオファーの直後、下院を辞任し追及を逃れました。また、ゲイツ氏の調査報告書はマイク・ジョンソン下院議長が公開しないよう強く要請した事もあり非公開となりました。

この流れには伏線があり、ゲイツ氏はウクライナへの多額の資金提供に強く反発し、マッカーシー前下院議長の解任に動いたとされていますが、マッカーシー氏主導のスキャンダルについての追及を恐れ、排除したのではないかとも言われています。その裏付けとして、この解任劇の恩恵で昇格したマイク・ジョンソン現下院議長が同様にウクライナへの資金提供を承認した時、マージョリー・テイラー・グリーン下院議員が議長解任動議を出したにもかかわらず、ゲイツ氏は沈黙していました。マッカーシー氏は解任以降、ゲイツ氏の倫理委員会の追及を継続するよう働きかけていたようですが、マイク・ジョンソン下院議長は今回この動きにストップをかけたというわけです。

メディアの反応:                                  民主党への復讐、狂犬を据えた、著しく悪い選択、上院の承認は下りない等、ネガティブな反応が多く見られます。

ロバート・F・ケネディ・ジュニア(保健福祉長官候補)

RFK Jr.の起用はトランピアンからは環境弁護士としての活動を評価、概ね歓迎されており、キャビネット入りすれば、掲げていたMAHA(Make America Healthy Again)を推進すると見られています。しかしRFK Jr.の過去の発言には党派を超えて非科学的で物議を醸すものが多く、重要ポストへの起用を危険視する声も多いようです。

ワクチンは自閉症を引き起こす。                                                                             COVID-19は特定の人種を攻撃するように設計されている。                            5G技術は癌を引き起こす。                                        水道水に含まれるフッ化物は健康に悪影響を与える。                          精神薬は学校での銃乱射事件を引き起こしている。                                 

特にワクチンに関する陰謀論、COVID-19に関する誤情報が問題視されており、ワクチンを推進してきた民主党は猛反発しています。

メディアの反応:                                   RFK Jr.は陰謀論者、中絶賛成派、主張が非科学的であり適任者ではない等、否定的な見解も多いようです。

まとめ

二人の指名に関しては、保守派でさえも驚きで疑問視する意見が多く見られる一方、トランプ氏が候補者指名にミスしたのではなく、現体制を揺さぶるための配置だという見方もあります。マイク・ジョンソン下院議長はCNNの番組STATE OF THE UNIONで司会者ジェイク・タッパーに「トランプ氏は意図的に破壊者を選んでいる。」と述べました。

それでは、リベラルが次期閣僚指名についてまとめた動画を見てみましょう↓

SNL:Saturday Night Live

↑この動画は保守派には不快なようですが。

賛否両論ある人事ですが、二人ともポストに就くには、現バイデン政権上院の公聴会含む承認が必要です。ゲイツ氏は報告書の公開は免れたものの、疑惑が付きまとっており、RFK Jr.もワクチンに関する主張の反発が必至です。二人に勝算はあるのでしょうか?今後の動向が注目ですね😊

参考

司法長官:
司法長官は司法制度全体の運営と管理を担当します。裁判所の運営、裁判官の任命、司法行政の監督などが含まれます。法律の適用と解釈に関する最終的な決定権を持ち、司法の独立性を維持するための重要な役割を果たします。

保健福祉長官:
保健福祉長官は、国民の健康と福祉を守るための政策の策定と実施を担当します。医療制度の管理、公衆衛生の向上、福祉サービスの提供などが含まれます。健康保険制度の運営や、感染症対策、予防接種の推進など、広範な分野でのリーダーシップが求められます。