ゼレンスキーはアメリカというパトロンに忠誠を尽くし、EUに恋します

ゼレンスキー氏、コロモイスキー氏の拘留を指示
2023年9月1日、ゼレンスキー氏は遂にウクライナの大富豪で政治家でもある、イーホル・コロモイスキー氏の自宅や企業などを家宅捜索し、2日にはコロモイスキー氏に2か月間の勾留を命じました。
これは政治的パフォーマンスでしょうか?そうではなさそうです。ゼレンスキー氏は以前から取り組んできたウクライナの汚職の駆逐に全くもって本気であり、とうとう本丸に乗り込んだと言えそうです。バイデン大統領の前のパトロン(資金援助者)であり、大統領になれた最大の支援者を逮捕することは恩義に反することですが、ゼレンスキー氏が民主主義の勝利とEU加盟という大儀を成し遂げるためには手段を択ばないとも言えます。
イーホル・コロモイスキー氏
ウクライナで最も裕福なオリガルヒの一人、資産額13億6千ドル(2015年調査) ユダヤ人、ウクライナ・イスラエル・キプロスの三重国籍(ウクライナでは二重国籍ですら禁止)
2014年~2015年:ドニプロペトロウシク州知事:私兵(アゾフ大隊)を使い、多くのロシア系市民を虐殺したと言われています。
※コロモイスキー氏はウクライナのテレビメディアを所有しており、当時コメディアンのキャリアを持つゼレンスキー氏をテレビドラマ『国民の僕(しもべ)』で大統領役に起用しました。その後、ゼレンスキー氏は2018年に「国民の僕」という政党を設立し政治活動を本格化させましたが、コロモイスキー氏はその政治活動資金の援助を行いました。ゼレンスキー氏は「コロモイスキー氏の僕」か。
2019年:米国(FBI)が金融犯罪容疑でコロモイスキー氏を捜査中との情報。 2021年:米国務省はコロモイスキー氏に入国禁止処分(ドニプロペトロウシク州知事期の不正蓄財容疑) 2023年9月:ウクライナ保安庁(SBU)はコロモイスキー氏が暴力で支配しているウクライナ最大銀行プリヴァト銀行他を利用し、同行預金者から膨大な預金を搾取し、ウクライナ国外へ送金、マネーロンダリングした疑いで起訴。
アゾフ大隊
コロモイスキー氏が資金援助、実質運営していた傭兵部隊
・アゾフ大隊の紋章→ナチスドイツの「ヴォルフスアンゲル」に似ている。
・紋章に描かれている太陽→ナチスドイツの黒い太陽に似ている。
・アゾフ大隊本拠地はドネツク州マリウポリ(アゾフ海に面した港湾都市)、紋章に描かれている背景はアゾフ海から出ずる「黒い太陽」か。

左上:アゾフ大隊の紋章 右上:ナチスドイツ 第2SS装甲師団ダス・ライヒの紋章「ヴォルフスアンゲル」 左下:ナチスドイツ親衛隊長官ハインリヒ・ヒムラーが親衛隊の中心地としたヴェヴェルスブルク城親衛隊大将の間にあるカギ十字で構成された秘教的シンボル「黒い太陽」
ゼレンスキー氏はとてもいいやつ?
先日、ノルドストリーム・パイプラインを爆破したのがウクライナの特殊部隊であり、 CIAがその一部始終を知り得ていたとニューヨーク・タイムズ紙が報じました。

また、ウクライナの反転攻勢が始まったというロシア当局の発表があり、ダムの決壊事故などが勃発し、多大な被害があったのは皆さん周知のことだと思います。ゼレンスキー氏はさっそく被災地入りし、ロシアを強く非難、欧米も同様の非難をロシアに表明しました。
ニューヨーク・タイムズ紙の報道が正しいとすると、世界中がロシアの侵攻を非難し、ウクライナに同情を寄せていましたが、ロシアがウクライナ国境付近に軍を駐留させていたにしろ、この戦争は実はウクライナ側から始めた戦争だったことになります。私たちは高度の演技技術を持った人間にすっかり騙されていたと青ざめます。思い返すとブチャでのロシアによるウクライナ市民虐殺、アゾフスタル製鉄所(ドネツク州マリウポリ)に立籠もったアゾフ大隊の忍耐強い抵抗、そして、今回のロシアによるダムへの自殺行為的攻撃、すべてがプロパガンダもしくは自作自演ではないかと疑わしく思えてきます。
欧米諸国は事あるごとにプーチン氏が犯人といいます。その攻撃が明らかにロシアにとって自傷行為であるはずの仮説であっても、理由は要りません、プーチンは悪だから。一方、ゼレンスキー氏はとてもいいやつです。彼はテロを起こすようなタイプの人には見えません。彼こそが今日のイギリス英雄ウィンストン・チャーチル首相、だから欧米諸国は第二次世界大戦中そうしたように彼を支援するのは必須、それこそが自分たちの利益と考えます。
ウクライナ戦争はウクライナの政治が米国ネオコン※1・CIAやコロモイスキー氏らウクライナのオリガルヒによって政権転覆(ユーロマイダン革命※2)等で混乱腐敗し、ウクライナの極右勢力:ステパーン・バンデーラ氏(ウクライナ民族主義運動指導者で、一部の人々からウクライナの英雄と言われている)の信奉者らが台頭、ウクライナ東部のドンバス地域(ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国)のロシア系市民を弾圧した結果、ロシアの集団的自衛権の行使を許したことで勃発したのではないでしょうか。「ロシアにとってのウクライナは、アメリカにとってのメキシコのような存在だ。」そう語る元米軍将校もいます。
Ukraine is to Russia what Mexico is to America.
— Douglas Macgregor (@DougAMacgregor) July 24, 2023
If there was an army in Mexico fully equipped to attack us, we would not hesitate to destroy it, which the Russians did.
現在、ウクライナはEUに対して政治腐敗の一掃というキャンペーンをアピールしていますが、私たちが目にするのは繰り返される暴力と腐敗と裏切りばかり、EU加盟の可能性は極めて低いと言えるでしょう。
注釈:
※1 ネオコン
新保守主義者(ネオコンサーバティブ)の略で、特にアメリカの政治思想を指す。主に1970年代以降に注目された政治的な動きやイデオロギーに関連しています。ネオコンの支持者は、市場経済や自由貿易の推進、強い国家防衛政策、そして民主主義の普及を重視する傾向があります。また、ネオコンは冷戦期に台頭し、特に外交政策において介入主義的なアプローチを取ることで知られています。彼らの政策は、民主主義やアメリカの価値観を他国へ広めることを目的とした積極的な外交行動や軍事介入を支持することが多いと言われています。
※2 ユーロマイダン革命(2013年11月-2014年2月)
キエフの独立広場(マイダン)において、親ロシアのヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領がEUとの連合協定の署名を拒否した事に抗議し退陣を求める市民が大規模なデモを開始、デモが激化し武力衝突に発展、正体不明(CIAとの噂がある)の狙撃兵がデモ参加者と警官を射撃し100人以上が死亡しました。この事件は「マイダンの大虐殺」と呼ばれています。
この事件で、ヤヌコーヴィチ大統領は政権を放棄しロシアに亡命、親欧米の新政権(暫定大統領オレクサンドル・トゥルチノフ氏)が発足しました。その後、2014年5月25日にペトロ・ポロシェンコ氏が大統領に就任、2019年5月20日にはゼレンスキー氏がポロシェンコ氏を破って当選、第6代大統領に就任しました。ゼレンスキー氏の大統領就任は、ウクライナの政治に大きな変化をもたらしました。彼のリーダーシップの下で、ウクライナは欧米との関係を強化し、国内の汚職撲滅に取り組んでいます。
参考:
ユーロマイダン革命の最中、2014年2月4日にヴィクトリア・ヌーランド米国務次官補(ネオコン)とジェフリー・パイアット米国ウクライナ駐在大使の通話がリークされました。この通話は、ウクライナの野党指導者たちを新政府にどう組み込むかについての戦略を話し合っているもので、特にEUの対応を批判する内容が含まれていました。この会話の中で、ヌーランド氏は「EUなんかくそくらえ」と発言し、これが国際的な問題となりました。この発言はEUがアメリカの意図に協力的でないことへの不満から来ていたようですが、アメリカがウクライナの政治に深く関与していることを示唆するものであり、当時のオバマ政権にとって大きな恥となりました。
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